IT事業者が個人事業主として独立開業したら、確定申告が必要です。確定申告をする際には、青色申告と白色申告の2種類があり、どちらかを選択する必要があります。青色申告は、最大65万円の特別控除が受けられるという節税のメリットが特徴と言えるでしょう。青色申告をすると、収入から65万円を差し引いて税金の計算ができるのです。また、生計を同一にする家族に給与を配布し、その分を青色事業専従者給与として計上できる経費に上限がありません。妥当な給与なら、高額でも経費として認められるのです。
それから、青色申告なら、赤字を3年間繰越できます。パソコンなどIT事業に必要な高額の備品につき、30万円未満なら一括で減価償却できるというメリットもあります。さらに、事業所の所在地を自宅に設定すれば、電気料金といった光熱費や賃料の一部を、家事按分と言って経費として上げられるのです。
もっとも、青色申告で65万円の控除を受けるためには、複式簿記で帳簿を作成しなければなりません。所得が48万円の基礎控除分を下回った際も、確定申告の義務が生じます。提出書類も、確定申告書や控除証明書等のほか損益計算書や貸借対照表などが加わり、白色申告より多くなります。
これに対し、白色申告は、開業届や承認申請などの手続きが不要で簡易帳簿で済むため、簡単に処理できる一方、特別控除がなく赤字の繰越もできません。白色申告でも専従者給与が経費として認められていますが、上限が設定されており、配偶者は86万円、その他の親族は50万円までと決められています。