IT事業者が個人事業主として開業したら、得られた収入につき税金を支払わなければなりません。税金を納付するには、必ず確定申告が必要です。確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、最大65万円の特別控除を受けられる青色申告をするためには、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出することが必須とされています。
開業届の用紙は、税務署で受け取れますが、税務署のホームページでダウンロードすることも可能です。開業届の記載内容は、IT事業者の代表者名と事業所所在地の住所や電話番号のほか、事業の種類や内容などになります。
事業所の所在地は、自宅でもかまいません。自宅を事業所として申告しておけば、パソコン作業に必要な電気代などの光熱費を家事按分として一部計上できます。開業届の内容は非公開ですから、住所や電話番号といった個人情報が第三者に漏れる心配はありません。事業内容については、複数の事業の記載が認められています。IT事業者の場合、アプリの開発やシステムの構築といった抽象的な記述で十分でしょう。これに付随する副次的な事業まで詳細に記入する必要はありません。
ヘルプデスクなどの副業を行う際は、雑収入として計上すれば良いでしょう。開業届を出した後になって、新たに別の事業を追加する場合も、改めて開業届を提出する義務はなく、確定申告の際に新規の事業内容を記載すれば問題ないのです。ただし、完全に本業を停止する時は、廃業届を税務署に出さなければなりません。このように、開業届は確定申告の際にも提出が求められるため、数ある手続きの中でも個人事業主が行うべき手続きの1つとして内容をしっかり熟知した上で実行することが大切です。